浮気調査の費用相場はいくら?料金体系3つの違いと、安く抑える方法
先に、答えの一覧
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 一般的な相場 | 40万円前後(幅は10万〜100万円以上) |
| 事実を知りたいだけ | 15万〜30万円(1日〜数日) |
| 離婚の話し合い・調停で使う | 50万〜80万円(数週間) |
| 裁判・慰謝料請求で使う | 70万〜100万円以上(1ヶ月程度) |
| 調査にかかる期間 | 8割以上が1週間程度で終了 |
出典:ベンナビ離婚/原一探偵事務所の集計。金額は相場であり、実際の請求額は事務所と条件で異なります。
10万円から100万円まで、10倍の幅があります。 この幅は「事務所がぼったくるかどうか」で生まれるのではありません。費用の構造から生まれます。 構造が分かると、見積もりのどこを見ればいいか、どこを削れば安くなるかが見えてきます。
費用の構造:式は1つしかない
どの事務所の料金体系でも、分解すると同じ式になります。
費用 = 時間単価 × 調査時間 + 経費 時間単価 … 調査員の人数で決まる(2名が標準) 調査時間 … 「目的」で決まる基本量 × 「事前情報」による増減 経費 … 車両費・交通費など
つまり変数は3つだけです。順番に、実測値で埋めていきます。
変数1:時間単価の相場
この業界の料金は「調査員2名」が標準単位です。1名あたりの数字と混同すると2倍ずれます。 広告の「1時間◯◯円」を見たら、まず何名分の金額かを確認してください。
業界団体のアンケートでは次の通りです。
| 1時間あたり | |
|---|---|
| 調査員2名 | 15,000〜20,000円 |
| 調査員1名 | 7,500〜10,000円 |
| 全体の約9割が収まる範囲(2名) | 10,000〜25,000円 |
出典:日本探偵業協会「調査費用の平均相場とは、アンケートの結果」(調査員2名・車両1台とバイク1台・1日6時間・都内の行動調査という条件)
一方、料金をウェブで公開している事務所の実例を並べると、こうなります。
| 公開している事務所 | 公開料金 | 2名・1時間に換算 |
|---|---|---|
| ALG探偵社 | 6,600円(税込)/1時間/調査員1名・実働のみ | 13,200円 |
| 大阪府興信所 | 1日4時間以内・2名 55,000円/延長1時間 12,000円 | 12,000〜13,750円 |
| 佐久真沖縄探偵事務所 | 5時間 66,000円/15時間 231,000円/20時間 308,000円(税込・2名) | 13,200〜15,400円 |
各社公式サイトの公開料金(2026年8月1日時点)。地域も条件も異なるため、水準感の参考としてください。
2つ、読み取れることがあります。
第一に、公開料金は12,000〜15,000円前後に集まっており、アンケートの中心(15,000〜20,000円)より下側です。 料金を公開できる事務所は、公開しても競争に耐える価格設定をしているとも読めます。 「料金表を公開しているか」は、事務所選びの一つの目安になります。
第二に、アンケートの「約9割が10,000〜25,000円」という幅は2.5倍あります。 これは地域差ではなく、同じ地域の中の事務所間の差です。 大阪と沖縄と東京系の公開料金がほぼ同じ水準に収まっていることからも分かります。 「地方だから安いはず」と期待するより、同じ地域で複数社から見積もりを取るほうが確実に効きます。
変数2:調査時間——「目的」と「事前情報」で決まる
目的が基本量を決めます。
| 目的 | なぜその時間になるか | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 事実を知りたいだけ | 1回現場を押さえれば足りる | 1日〜数日 |
| 調停・話し合いで使う | 相手が言い逃れできない程度の記録が要る | 数週間 |
| 裁判・慰謝料請求で使う | 継続的な関係の立証に複数回の証拠が要る | 1ヶ月程度 |
出典:ベンナビ離婚
「1ヶ月」といっても毎日尾行するわけではありません。相手が動く日にだけ動きます。 だからこそ、もう一つの変数——事前情報が効いてきます。
行動パターンが絞れていれば、動く日を狙って短時間で押さえられます。 絞れていなければ、空振りの日が積み上がります。空振りの日も調査時間として課金されます。
この差は、公開されている料金表にもはっきり現れています。
3日間パック 連続日程 300,000円 3日間パック 非連続日程 350,000円 ← 同じ3日間で 1.17倍
出典:大阪府興信所 調査料金表
パターンが読めないと日程を連続で組めず、同じ調査でも割高になる——事務所側の価格設定が、それを物語っています。
変数3:経費——単価の安い事務所ほど、ここが乗る
見積もりの総額を狂わせるのは、たいてい経費です。
| 経費 | 相場・内容 |
|---|---|
| 車両費 | 1日1台あたり 10,000〜15,000円 |
| 交通費 | 実費(電車・バス・タクシー。遠方なら新幹線・航空券) |
| 宿泊費 | 実費(遠方調査時) |
| 飲食・入場料 | 実費(対象者と同じ店・施設に調査員が入る場合) |
| 深夜・早朝割増 | 事務所による |
出典:日本探偵業協会/ベンナビ離婚
日本探偵業協会のアンケートには、見落とされがちな指摘があります。
時間単価が15,000〜20,000円を下回る事務所は、車両費を別途請求する傾向がある
つまり時間単価の安さと総額の安さは別物です。 「1時間6,000円」という広告を見たら、確認すべきは3点——①1名か2名か ②経費は込みか別か ③最低稼働時間はあるか。 この3点を聞くだけで、広告の数字と実際の請求額のずれはほぼ防げます。
計算例:3つのケースで積み上げる
ここまでの数字で、実際に計算してみます。 時間単価はアンケートの中心 15,000〜20,000円(2名)、車両費 1日1万〜1.5万円、1日6時間で置いた計算例です。
ケースA:事実を知りたいだけ × 曜日が絞れている
「残業」と言う日が毎週同じ曜日 → その曜日を2日間だけ張る 調査時間 6時間 × 2日 = 12時間 調査料金 12時間 × 15,000〜20,000円 = 18万〜24万円 車両費 2日 × 1万〜1.5万円 = 2万〜 3万円 ──────────────────────────────── 合計 20万〜27万円 → 相場「15万〜30万円」と一致
ケースB:調停で使う × なんとなく分かる
複数回の記録が必要 → 30時間(5日相当) 調査料金 30時間 × 15,000〜20,000円 = 45万〜60万円 車両費 5日 × 1万〜1.5万円 = 5万〜7.5万円 ──────────────────────────────── 合計 50万〜68万円 → 相場「50万〜80万円」と一致
ケースC:裁判で使う × まったく分からない
空振り込みで50時間(9日相当) 調査料金 50時間 × 15,000〜20,000円 = 75万〜100万円 車両費 9日 × 1万〜1.5万円 = 9万〜13.5万円 ──────────────────────────────── 合計 84万〜114万円 → 相場「70万〜100万円以上」と一致
ベンナビ離婚が紹介する実例(5時間で約25万円/30時間で約60万円/50時間で約95万円)とも、ほぼ重なります。 相場の10倍の幅は、この掛け算の結果です。どの変数が自分のケースで大きいのかを見てください。
料金体系は3つ。向き不向きで選ぶ
時間料金制——短期で終わる見込みの人向け
実際に動いた時間だけの請求です。ケースAのように行動パターンが絞れているなら最安になります。 例:ALG探偵社は1時間6,600円(税込・調査員1名)・実働時間のみと公表しています。 確認すべきは延長時の単価。当日「あと1時間で押さえられそう」という場面で必ず効いてきます。
パック料金制——長期化が見えている人向け
「◯時間まで一律◯円」の方式で、長くなるほど1時間あたりが下がります。
2日間・最大10時間 100,000円 → 10,000円/時 3日間・最大30時間 300,000円 → 10,000円/時 7日間・最大70時間 600,000円 → 8,571円/時
出典:大阪府興信所 調査料金表
ただし、名目単価は「使い切った場合」の数字です。 30時間パック30万円を、20時間で証拠が取れて終えた場合、実質単価は15,000円/時に跳ね上がります。 時間制(12,000〜15,000円/時)と比べた損益分岐は、ざっくり「パックの時間数の7〜8割以上を使う見込みがあるか」。 そして契約前に必ず「途中で証拠が取れたら、残り時間は返金または繰り越しされるか」を確認してください。 ここが契約書に書かれていないパックは、選ばないほうが安全です。
成功報酬制——空振りの金銭リスクを抑えたい人向け
証拠が取れなければ調査料金が発生しない(または大幅に減る)建て付けです。 例:あい探偵は完全成功報酬制を掲げ、格安プラン11万円〜/定額プラン55万円〜(税込)と公表しています。
この方式の要点はただ一つ、「成功」の定義です。 「ホテルの出入りの写真」なのか「対象者が第三者と接触した事実」なのかで、支払い条件がまったく変わります。 定義が曖昧なまま契約すると、「これで成功です」と言われて争えません。必ず書面で定義を確認してください。 また「完全成功報酬」でも経費が別途の場合があります。これも書面で。
費用を下げる方法は、実質2つしかない
1. 目的を先に決める(数十万円の差)
一番高くつく失敗は、「とりあえず調べて」から始めて、証拠を見てから「裁判まで行く」と目的が変わることです。 事実確認の調査と裁判用の調査は設計が違うため、撮り直しに近い追加調査になります。 裁判まで視野にあるなら、最初からそう伝えて設計してもらうほうが、総額は安くなります。
2. 行動パターンを、手元の記録から絞り込む(日数が減る)
調査ではありません。すでに自分の手元にあるものの整理です。
□ 帰宅が遅かった日をカレンダーに書き出す(過去2〜3ヶ月分) □ 家計簿・クレジットカードの明細で不自然な支出の日付を拾う □ 「出張」「接待」と言われた日を並べて、曜日の偏りを見る □ 車で出た日と、電車で出た日を分けてメモする
曜日の偏りが1つ見つかるだけで、張る日を絞れます。ケースCがケースBに変わるだけで30万円前後変わります。 そしてこの作業には、法的なリスクが一切ありません。
逆に、GPS機器の取り付けや相手のスマートフォンを開く行為で「自分で調べて安くする」のはやめてください。 ストーカー規制法(2021年8月改正でGPSが規制対象に)等に触れる可能性があるうえ、 違法に集めた記録は裁判で証拠として採用されない可能性があります。 節約のつもりが、費用より大きいものを失いかねません。詳しくは証拠のページへ。
このほかに効くのは相見積もりです。約9割が10,000〜25,000円という幅の中のどこにその事務所がいるのかは、 2〜3社に同じ条件を伝えて並べないと分かりません。
契約前チェックリスト
探偵業法により、契約前の重要事項説明と契約書面の交付は事務所の義務です。 書面を出さない・口頭で済ませようとする事務所は、その時点で候補から外してください。
見積書と契約書で確認するのは、この7点です。
□ 調査員は何名か(2名か3名かで1.5倍変わる) □ 車両費・交通費は込みか、別途か □ 延長1時間あたりの単価 □ 深夜・早朝の割増の有無 □ パックの場合:中断時の返金・繰り越しの扱い □ 成功報酬の場合:「成功」の定義 □ 追加調査が発生する条件と、その単価
その費用、回収できるのか——依頼前に一度だけ考えること
調査費用を浮気した側に請求できるかは、ケースによります。裁判で一部が認められることはありますが、 全額の回収を前提に予算を組むのは危険です。
だから、依頼前に一度だけ立ち止まって計算してください。
得られる見込みのもの(慰謝料・離婚条件の改善) − 調査費用 = ?
この引き算がマイナスになりそうなら、調査より先に弁護士に見通しを聞くほうが順序として合理的です。 慰謝料の相場はこちらのページに整理しています。
よくある質問
Q. 調査費用は浮気した側に請求できますか? ケースによります。裁判で調査費用の一部が損害として認められることはありますが、全額が認められるとは限りません。回収を前提にせず、弁護士に見通しを確認してください。
Q. 分割払いはできますか? 事務所によります。対応の有無と条件(手数料・回数)を契約前に確認してください。なお、支払いを理由に消費者金融での借入れを勧めてくる事務所は避けてください。
Q. 見積もりだけ取って断ってもいいですか? 構いません。無料相談・見積もりの段階で契約義務はありません。むしろ2〜3社から取って比べるのが前提です。「今日契約すれば割引」と急かされたら、その場では決めないでください。
Q. 1日だけの調査に意味はありますか? 行動パターンが絞れているなら有効です(相場5万〜12万円)。絞れていない状態での1日調査は空振りの確率が高く、割高になりがちです。まず手元の記録の整理を。
Q. 「1時間3,000円」のような安い広告は本当ですか? その数字自体は嘘でないことが多いですが、①調査員1名の料金 ②経費別 ③最低契約時間あり、のいずれかであるのが普通です。総額の見積もりを書面でもらって比べてください。